痛みの緩和・筋力増強
ロコモティブシンドロームに
ついて
ロコモティブシンドロームとは、移動するための能力がある事を意味する「locomotive」と症候群を意味する「syndrome」から作られた造語で、移動するための能力の低下や不足といった状態を指しています。
ロコモティブシンドロームが進行すると、行動範囲が狭まってしまい、社会参加や生活活動に制限がかかり、さらに進行すると寝たきりなどの要介護状態になってしまいます。
今では人生100年時代と言われるようになった長寿社会ですが、一方で85歳以上の要支援・要介護認定者の割合は59.8%と、ご高齢者の半数以上が何らかの制限を受けている状態です。
ロコモティブシンドロームの仕組み
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発症ロコモの要因となり得る要因
発症個所 骨、関節軟骨、椎間板、神経、筋肉 など 症例名 - 骨粗鬆症
- 骨折
- 変形性関節症
- 変形性脊椎症
- 神経障害
- サルコペニア など
症状感じる症状
痛み、しびれ、関節可動域制限、柔軟性低下、姿勢変化、筋力低下、麻痺、バランス感覚の低下 など
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重度症状移動機能が低下
初期に発生する症状に対処せず、放置していたり、適切な対処(治療)を行っていない場合、要因となる疾患の進行する影響から移動機能の低下が進み、歩行障害に至ってしまいます。
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結果要介護状態に推移
歩行障害が発症し、進行していくことで、最終的には自力での生活が出来なくなり、介護が必要な状態になってしまいます。
要介護状態になってしまうと、普段の生活にも制限が出てくる状態となるので、このようにならないためにも治療を行う事が大切です。参考要支援・要介護になった原因
要支援、要介護になる原因として、一般的なイメージは高齢による衰弱からの寝たきりなどのイメージをお持ちの方が多くおられますが、実際は運動器の障害(=骨折や関節の病気)が最も多い要因となっています。
ロコモチェック
以下の症状の中で心当たりのある症状はありませんか?
- 片足立ちの状態で靴下をはくことが出来ない。
- 家の中など何もないところでつまずいてしまう。
- 階段利用時に手すりが無いと利用できない。
- 腰を曲げたり、やや重いものを持っての作業が困難。
- 2kg程度の荷物を持っての歩行が困難(1ℓの牛乳パック2本分相当)。
- 15分以上歩き続ける事が出来ない。
- 青信号の間に横断歩道を渡り切ることが出来ない。
一つでも当てはまったら
このチェック項目は、骨、関節、筋肉等の運動器が衰えているサインです。
1つでも心当たりがある場合はロコモティブシンドロームの心配があります。
当クリニックでの再生医療での治療
ロコモティブシンドロームは様々な要因によって引き起こされ、各要因に応じた適切な治療が必要です。
骨折や関節症のような外科的治療のアプローチが必要な要因に関しては再生医療の技術で治療できるケースが多くあり、当クリニックでも多くご相談いただいております。
患者様ご自身の体組織を使用して行う再生医療は寝たきりなどの要介護状態にならないため、脱するためにもお力になる事が出来ます。
サルコペニアについて
サルコペニアとは、高齢期の方に見られる骨格筋量の減少と、筋力・身体機能の低下が認められる状態の事を言い、ギリシャ語で筋肉を表す「sarix」と、消失を表す「penia」を掛け合わせて作られた造語です。
ヒトの体は20歳~30歳を境に老化現象が進み始め、筋線維数と筋横断面積の減少が同時に進んでいき、日常の行動が億劫になり、最終的には歩行困難などの要介護状態に陥る現象なので、適切な治療やトレーニングを行う事が進行を食い止めたり、緩やかにするためにとても重要です。
サルコペニアの原因
ヒトの体は遅くとも30歳あたりから徐々に老化が進み始め、40歳前後で筋肉量の減少が始まります。
筋肉量の減少速度は最初は徐々に進行していきますが、60歳を超えたあたりから、減少速度は加速していきます。
筋肉量の低下の主な原因は、タンパク質の摂取量の低下と、運動不足で新たに作られる筋肉の量が低下するため、分解される筋肉の方が多くなってしまうためです。
この状態が継続されてしまうと、サルコペニアの状態になってしまいます。
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接種タンパク質量の減少
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運動量の減少
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筋肉量の減少、
筋力・身体能力の低下サルコペニア
サルコペニアの診断基準
加齢による老化に伴い、どなたでも筋肉量は減少していきますので、サルコペニアと診断されるための基準があります。
基準は「1,筋肉量の減少」、「2,握力の低下」、「3,歩行速度の低下」という3つに指標に設けられた基準値を上回るか、下回るかという基準です。
以下に掲載している1~3のうち、1と2か3に当てはまるとサルコペニアと診断されることになります。
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1.筋肉量の低下
- BMI値18.5未満
- 下腿の大きさが男性34cm未満、女性:33cm未満
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2.握力の低下
- 男性:28kg未満
- 女性:18kg未満
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3.歩行速度低下
歩行速度1.0m/秒以下(青信号中に横断歩道を渡り切れない)
サルコペニアの症状
ご自宅など測定環境の無い場合でも以下のような方法で症状が発症しているかどうかの判断目安とすることが出来ます。
突起などが無くても転びやすくなってしまったり、重いものを持ち上げることが出来なくなってきたり、手すりなしでの階段の利用が難しくなった時に試してみて下さい。
指輪っかテスト
親指と人差し指でふくらはぎの最も太い部分にあててみて、隙間が出来たりする場合はサルコペニアの疑いがあると判断できます。
当クリニックでのサルコペニア治療
サルコペニアは筋肉量の低下によって各種運動能力の低下が発症し、通常活動が困難になる症例ですので、トレーニングなどにより失われた筋肉を取り戻すことが出来れば回復することが出来ますが、既にサルコペニアになってしまっている状態ではトレーニングを行うこと自体が困難なケースも多くあります。
当クリニックではそのような患者様でも無理なく受けていただける治療法をご用意しておりますので、一度ご相談下さい。