膝の再生医療
膝の再生医療とは
再生医療とは、本来の機能を果たせなくなった細胞や組織を、患者様自身の細胞で修復・再生することを目指す医療です。
人の体は、およそ60兆個の細胞からできており、それぞれの細胞には役割が決まっています。
例えば、筋肉になる細胞は筋肉としての役割を果たせるよう、それに見合った機能を持つ必要があります。
神経になる細胞も同様に、それにふさわしい能力を身につける必要があります。
このように、それそれの細胞が決まった役割を持つようになることを 「分化」と言いますが、中には決まった役割を持たずに、様々な細胞へと変化する可能性を持つ特殊な細胞が存在します。
当クリニックの治療の特徴
変形性膝関節症や半月板損傷による膝や関節の「痛み」を解決いたします。
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手術・入院
不要 -
痛みの原因に
アプローチ -
身体への負担が
少ない -
感染症等で
断られた方も安心
血清に含まれる有効成分
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PDGF
- 組織修復に関する細胞の動員と増殖
- コラーゲンの生成
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VEGF
- 組織修復に関する細胞の動員と増殖
- コラーゲンの生成
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TGF-β
- 損傷組織や筋細胞の修復
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FGF
- コラーゲンの生産
- ヒアルロン酸の生産
- 組織修復
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EGF
- 細胞の増殖促進
- 新陳代謝促進
- 創傷の治癒
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IL-1Ra
- 炎症や痛みを抑える
PRPとACRSに含まれる成分の比較
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IL-1Ra
(抗炎症作用・痛みの緩和)
5.6倍 -
FGF
(コラーゲン・ヒアルロン酸生産、組織修復)
15.5倍 -
EGF
(細胞増殖促進・新陳代謝促進
・創傷治癒)5.5倍
当クリニックにておすすめする療法
ACRS療法(自己血サイトカインリッチ血清)
抗炎症サイトカインと成長因子が共同して損傷組織の再生を促す、ドイツで開発された新型再生医療であり、当クリニックはこの両方を推奨しています。
ACRS療法の効果は一時的なものではなく、継続した効果の持続を期待できるため、治療前(注射前)に比べて長期間、大幅に痛みを軽減する効果が期待できます。
血清のもとは、患者様ご自身から採取した血液であり、精製する事で得られる不要な細胞を含まない新世代の血小板製剤です。
日本ではまだ珍しい療法で、70歳以上の患者様にも効果が期待できる療法の為、ご高齢者様にもおすすめできる治療法です。
当クリニックが推奨している
患者様に合わせた治療提案
再生医療は効果の出方が個人により大きく異なります。
当クリニックでは、確実に結果につなげられるよう、患者様お一人おひとりの状況に応じた治療メニューを個別にご提案しています。
初診 | 来院 (2回目) |
来院 (3回目) |
来院 (4回目) |
来院 (5回目) |
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軽症の方 |
or |
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中等症の方 | |||||
重度の方 |
症状に合わせて、個別治療をご案内しております。
- 診察
- MRI検査
- PRP療法
- ACRS療法
再生療法の種類
PRP療法(多血小板血漿療法 :Platelet rich plasma)
ACRS療法(自己血サイトカインリッチ療法:Autolongoum Cytokine Rich Serum)
ADSC療法(脂肪由来幹細胞:Adipose Derived Stem Cell)
膝再生医療の主な疾患
変形性膝関節症
大腿骨と脛骨の表面を覆っている軟骨組織がすり減っていくことで、痛みが生じる疾患です。
進行性の疾患で、症状が進行すると膝が曲げ伸ばししにくくなり、痛みも強くなっていくため、生活に支障をきたすようになります。
主な原因は加齢による軟骨のすり減りで、特にほとんど運動をしない人は注意が必要です。
他に、肥満や膝を過度に使うスポーツも原因として挙げられます。
変形性膝関節症の病態と症状
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初期
- 歩き始めや立ち上がるときに膝が痛い
- 長時間歩くと痛みだすが、休むと治まる
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進行期
- 正座やあぐらがつらい
- 階段の上り下りがつらい
- 膝に水がたまる
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末期
- 強い痛みで歩くことすら難しくなる
- O脚やX脚に変形して足が伸びなくなる
半月板損傷
半月板は大腿骨と脛骨の間にある組織で、膝の内側と外側に存在します。
膝に強い衝撃がかかることで半月板にヒビが入り、痛みが生じます。
損傷した半月板の位置によって、痛みの出る場所は異なります。
サッカーなどの急な切り返し動作の多いスポーツや交通事故などのケガで膝に強い力が加わることが原因となることが多いですが、60代以降の方の場合はちょっとした衝撃だけでも半月板が損傷しやすくなるので注意が必要です。
その他に考えられる疾患
膝の痛みの原因はさまざまです。
加齢、スポーツなどによる膝の酷使が原因のものが主ですが、それ以外の原因で起こるものもあります。
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スポーツなどによる
膝の酷使が原因の疾患- 靭帯損傷
- 鵞足炎
- 腸脛靭帯炎(ランナー膝)
- 膝蓋腱炎 (ジャンパー膝) など
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急に膝が痛くなる疾患
- 痛風
- 深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
- ベーカー嚢腫
- 関節リウマチなど
治療法
膝の痛みを改善するための治療は、症状にあわせて選択することが大切です。
ここでは膝の痛みに対して行う、主な治療法をご紹介します。
トレーニング・ストレッチ
筋力不足が原因で膝に負担がかかっている方に行う運動療法です。
変形性膝関節症や半月板損傷、鵞足炎、腸脛靭帯炎、膝蓋腱炎の方におすすめの治療で、ご自宅でも簡単に行っていただけます。
ヒアルロン酸注射
膝軟骨が損傷する変形性膝関節症、半月板損傷などの方に行う治療法です。
ヒアルロン酸を膝に注射することで膝関節の滑りが良くなり、膝の動きの改善、痛みの緩和が期待できます。
効果の持続期間は1~2週間程度で、定期的に治療を行っていきます。
膝の手術
トレーニング・ストレッチやヒアルロン酸注射をしても痛みが緩和せず、生活に支障をきたしているような場合は、手術療法が検討されます。
手術は主に関節鏡視下手術、脛骨骨切り術、人工関節置換術の3種類に分けられ、膝の状態やライフスタイルによって手術方法を検討します。
再生医療
ヒアルロン酸の効果が感じられなくなってきた、でも手術はできれば避けたい。
そんな方へお勧めしたいのが再生医療による治療です。
ご自分の血液または 脂肪から有効成分を抽出し、膝に注射することで炎症を抑え、痛みを軽減する効果が期待できます。
日帰りでの治療が可能で、体にも低負担、自己組織を使うため副作用がほとんどないところが特徴です。
これまでの医療と
再生医療の違い
今日、医療技術は目覚ましい発展を遂げましたが、慢性疾患の完治は依然として難しいです。
糖尿病、心臓病、脳卒中、高血圧、肥満、脂質異常症などの生活習慣病のほか、整形外科の領域なら変形性膝関節症などがそれに該当します。
こうした疾患の治療は、今までは症状を一時的に抑えたり、やわらげたりするだけの「対処療法」が一般的でした。
再生医療は、このような状況を大きく変える可能性がある治療法として注目されています。
医療の世界において今、最も先進的な分野であり、世界中で日々新たな成果が取り上げられている分野です。
変形性膝関節症の既存治療と再生医療の違い
得られる効果
培養幹細胞治療とPRP-FD注射は、ともに成長因子、抗炎症因子と言われるたんぱく質を関節内に注入し、痛んだ部位の根本的な治療を目指す治療法です。
膝は大腿四頭筋(太ももの前面)の筋力低下で症状が出る場合が多いです。
治療後の膝の負担を軽くする意味で、太ももの筋力トレーニングはなるべく行うようにして下さい。
ただし、急に歩く機会を増やすと膝に違和感や痛みを感じると思います。
無理のない範囲で、ご自宅周辺をウォーキングしたり、自転車に乗ったりすれば良いでしょう。
お勧めする方法は、エアロバイクと水泳です。関節自体には負荷をかけず、その周囲の筋肉を増強するほうが関節には優しいと思われます。
膝が痛くなると、自然と関節を動かそうとしなくなってしまうものです。
しかし、関節軟骨は関節液から栄養を得ていますから、関節を動かさなければ、栄養がストップしてしまいます。
体重をかけないで、できるだけ膝を動かす方法が望ましいです。
膝の再生医療のメリットとデメリット
再生医療は、手術療法と違い変形を大きく矯正するものではありません。
自分の今ある骨や軟骨・半月板を内側から改善することを目指します。
親からもらった大切な関節の力を使い、再生させようとする方法です。
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メリット
- 副作用やアレルギー反応を起こすリスクが少ない
- 入院不要
- 手術を希望しない方にとっての選択肢となり得る。
- 従来の保険医療では改善しなかった症状に対しても効果が期待できる。
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デメリット
- 効果がある人とそうでない人がいる
- 肥満度が大きい方
- O脚変形の力が極端に落ちている方
- 膝の変形が重度の方は、変形部位の改善が見込まれる
再生医療が受けられないのはどんな時?
基本的には再生医療とは安全性の高い治療なので、多くの方に受けていただく事が出来る治療方法です。
特にアレルギー体質の人には良い適応です。
ですが、事前の検査や診察によって以下のような方はお受けいただく事が出来ない場合があります。
【再生医療を受ける事が出来ないケース】
- 何らかの感染症にかかっている方。
- 麻酔薬などに強いアレルギー反応を示す方。
- 血液凝固能に異常がある方
- 検査や診察の結果、医師が不適と判断した場合。
再生医療が適応外になる合併症
- B型・C型肝炎
- エイズ
- ヒトT細胞白血病
- 梅毒
- 悪性腫瘤
- 重度の糖尿病
- 血液の凝固障害など
当クリニックが再生医療を行う理由
私たちが再生医療に取り組む理由は、膝痛の苦しみを根本的に解決する再生医療の恩恵を、一人でも多くの患者様に受けていただくためです。
再生医療は新しい医療なので、社会的認知度はまだまだ低いと認識しています。
しかし、この素晴らしい医療を受けられた患者様が病気を克服し、社会復帰する姿を示されることで、医療への信頼はより確かなものになると期待しています。
再生医療が人々に正しく理解されるよう、引き続き適切な情報提供に邁進します。
コンビネーション治療
一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療
患者様個々のお悩みや症状に合わせたコンビネーション治療を施術しております。
膝と腰の痛みにお悩みの方など、受診の際にお気軽にお伺い下さい。
医師が最適な治療方法をご提示いたします。